自動車業界における
ファクトリー・オートメーションの可能性
膨大な部品と工程によって組み上げられた自動車。その生産現場には、古くから産業用ロボットが導入されており、ファクトリー・オートメーション(FA)と共に歩んできた業界とも言えます。従来から溶接や組み立てなどの工程は自動化されていますが、近年ではさらに検査工程の効率化やトレーサビリティの確保など、その利用シーンは拡大しています。こちらでは、自動車業界におけるFAの役割や現在のトレンドや、キーエンスの考える生産現場の改善についてご紹介します。
ファクトリー・オートメーションの役割
古くからFAが導入されている自動車業界では、加工だけではなく、品質管理や在庫管理、トレーサビリティなど幅広い分野で各種センサが活用されています。溶接や塗装、組み付けや検査などの工程にセンサやロボットは欠かせない存在です。
近年は、自動車の高性能化によって部品点数が増加傾向にあり、さらにユーザーが求める高い安全品質をクリアするには検査の手間も増えています。リサイクル法の制定によって部品の製造から完成車の組み立て、整備・点検、廃車まで、トレーサビリティ確保も義務となっています。そのため単純な工程の自動化だけではなく、情報管理まで統合したセンサの活用がカギになっています。
自動車業界のアプリケーション事例
自動車業界におけるFAおよびキーエンス商品の導入事例をご紹介します。掲載しているお悩みとその改善事例はごく一部ですので、ご興味がある方は自動車業界における工程別改善成功事例集もあわせてご覧ください。
-
プレスストロークの測定 プレス加工時の動作をレーザ変位計で測定し、位置決めを正確に行ったうえでプレスすることで不良を防止します。
-
ドアの品種判別 左右の判別が難しく、大きいドアのような部品でも高画素数カメラであれば1台で品種識別・検査が可能です。
-
車体組立時の位置決め ロボットにカメラを取り付け、穴位置を認識し、その情報をロボットにフィードバックすることで組み付けの自動化が実現します。
-
タイヤのトレッド形状測定 3次元画像処理システムを活用すれば、タイヤのトレッドといった複雑な形状の検査も自動化できます。
-
インジェクタ品番のOCR認識 インジェクタのような品種判別が難しい商品でも、画像センサ+OCRで品番を識別すれば、確実に判別することが可能です。
-
進捗管理・実績収集 各工程のデータを蓄積し、部品の刻印や指示書のバーコードを読み取り、各工程のデータを蓄積することで、トレーサビリティの確保ができます。